不機嫌なアルバトロス
「行こう」


そう言って、中堀さんが歩き出した。



手を引かれ、私も俯きながらとぼとぼと歩く。





さっきまで我慢していた涙が零れ落ち、空気がそれを冷やした。




安心して出た涙じゃないのは、自分がよくわかってる。


宏章にされたことで貯まった涙じゃない。


別の感情の涙だ。




胸が、痛い。


ツキンと、痛い。


冷たいガラスみたいに。





『私の、大事な妹なもので』




さっきの言葉が、私のココロに突き刺さっている。
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