不機嫌なアルバトロス

「泣いてたと思われた方が都合がいいから。」



さらりと言うもんだから、一瞬反応が遅れた。



ぜ、ぜ、ぜ、ぜ、


前言撤回!


私は絶対この男になんか騙されない!


好きになんかならない!



「しんじらんないっ」



瞬間湯沸かし器のような私は強く抗議する。



「今回は俺から志織への御礼の食事だ。あんたにはその席で援助の感謝の言葉を述べてもらう。俺のことはおにいちゃんって呼べばいい。」



私の反応なんてお構いないしに、中堀さんは淡々と説明を続ける。
< 133 / 477 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop