不機嫌なアルバトロス

「何を?」


こ、こいつっ。


絶対に分かっている筈なのに!



「き、キスですっ。あぁあ朝!したでしょぉ!」



私の慌てっぷりに、くっくと笑う中堀さん。



「あぁ、おかげでぶったたかれたアレか」



その言葉に思わずばっと顔を上げると、中堀さんは痛そうなフリをして、頬に手をあてている。



「そっ、そうですっアレです!」



一応肯定してみた。



再度、目の前の彼はにやりと笑う。



「アレは、キスの内には入らないよ」
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