不機嫌なアルバトロス
転ばないように気をつけながら、ゆっくりと歩いて会社の裏口に回った。
「ご苦労様です。」
中年の眼鏡を掛けた警備員さんがちょうど警備室に居て、笑顔で迎えてくれる。
全然ご苦労じゃないんですよ、それが。
心の中で返答するが、表向きは目で笑って返した。
裏口からはエレベーターが近く、正面玄関が遠くに見える。
当たり前だけど、受付嬢も居なくて、辺りは静まり返っていた。
「かばん、かばんっと」
なんとなく心細くなって、敢えて口に出してエレベーターに乗りこむ。
さすがに、誰も使っていないせいで、エレベーターは止まる事無く目的地まで私を運んでくれた。
降りて小走りに更衣室のロッカーへと向かい、鞄をゲット。
急いでマスクを剥ぎ取って、化粧ポーチを取り出し、鏡に向かう。
「よし!」
完璧とまではいかないけど、これで、ちゃんと自分の顔と向き合うことができる。
っていうか、よくもあの顔で、中堀さんと一緒に居たな。ある意味自分を尊敬する。
「なんだかなぁ。」
段々大胆なんだか、正真正銘の馬鹿なのか、自分でもわからなくなってきた。
ただ、成り行きが、中堀さんの前でいつも自分を無防備にさせるのだ。
「ご苦労様です。」
中年の眼鏡を掛けた警備員さんがちょうど警備室に居て、笑顔で迎えてくれる。
全然ご苦労じゃないんですよ、それが。
心の中で返答するが、表向きは目で笑って返した。
裏口からはエレベーターが近く、正面玄関が遠くに見える。
当たり前だけど、受付嬢も居なくて、辺りは静まり返っていた。
「かばん、かばんっと」
なんとなく心細くなって、敢えて口に出してエレベーターに乗りこむ。
さすがに、誰も使っていないせいで、エレベーターは止まる事無く目的地まで私を運んでくれた。
降りて小走りに更衣室のロッカーへと向かい、鞄をゲット。
急いでマスクを剥ぎ取って、化粧ポーチを取り出し、鏡に向かう。
「よし!」
完璧とまではいかないけど、これで、ちゃんと自分の顔と向き合うことができる。
っていうか、よくもあの顔で、中堀さんと一緒に居たな。ある意味自分を尊敬する。
「なんだかなぁ。」
段々大胆なんだか、正真正銘の馬鹿なのか、自分でもわからなくなってきた。
ただ、成り行きが、中堀さんの前でいつも自分を無防備にさせるのだ。