不機嫌なアルバトロス

中堀さんも気づいたらしく、くるっと後ろを向くと、あぁと言う表情をした。


知り合い?


私は気づかないフリを決め込む。


「ねぇ、この方が?」


なのに、金持ちっぽい女性は許してくれず、私の方へおずおずと掌を向けた。


「少し、席を外します」


私にこそっと耳打ちすると、中堀さんは女性をエスコートし、奥の席(たぶん女性が居た所)に消えた。


こちらからはちょうど見えない。


私はがっくりと肩を落とす。


やっぱり居たんだ。。


かわいいお姫様。


落ち込む自分を馬鹿馬鹿しく思いつつ、額をカウンターに付けた。


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