ブラコンVSシスコン
「あれ? 羽鳥、何やってんの?」
泥だらけのユニフォームを着た孝橋が教室に入ってきた。
「え? あーちょっと……忘れ物。孝橋は?」
そう言ってわたしは椅子から降りる。
口が裂けても遼に呼び出されたなんて言えないし。
「オレも忘れ物……」
わたしの隣の席で机の中からごそごそと何かを探してる孝橋。
擦れたユニフォームから砂が落ちる。
「てか、泥だらけだし」
「しょーがねーだろ、今、練習中」
「そっかー忘れ物を口実にサボりにきたんだ?」
「ちげーよ。あーあったあった」
孝橋が1枚の紙を出した。