届かぬ声を、君に。




『逢い引き? 俺、そんなことしてないよ』


「なんで? 昨日、樹里ちゃんと一緒にいたでしょ?」


『そっ………それは………』


やっぱり、図星なんだ。


そう思って、私は響也を家から追い出した。



「帰って! もう、響也なんか大っ嫌い!」



響也の話も聞かずに、私は玄関の扉を閉めた。



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