届かぬ声を、君に。
もう日がほとんど落ちてきて、辺りが暗くなりかけていた、その時。
ガチャ.......と屋上の扉が開いた。
だ、だ、誰!?
すると、誰かが私の方へと向かってきた。
「きょ、響也!」
そこにいたのは、響也だった。
なんで、響也がここに?
私が頭に?を浮かべていると、響也が手を動かした。
『お前、こんなところで何やってんの?』
何って.......見ればわかるでしょ。
泣いてんの。
『別に』
私は泣き顔を見られたくなくて、顔を隠した。