届かぬ声を、君に。
「ごめんね、優花」
私は、優花のいるベッドの脇に座って謝った。
「……なんで、舞香が謝るの……?」
優花が、そう言った。
優花のその小さな声は、かすかに震えていた。
「優花………?」
優花が、泣いていた。
他人に涙を見せない、しっかり者の優花が。
優花の涙を見たのは、初めてだった。
「ごめんね、舞香……」
優花が、私の手を握ってそう言った。
「大事なこと、隠しててごめん………」