守ってダーリン!
全力で拒否する市谷さん。

そんな彼にいたずらゴコロが芽生えた私は、彼を見上げてわざとおどけて呼んでみる。

「なーおくんっ!」

すると、市谷さんは眉をピクリと動かして、観念したようにため息をつく。

「・・・里佳が言うとかわいいな・・・。

じゃあ・・・特別に許可するけど。人前では、絶対に呼ぶな。」

「はい!わかりました。」


(ふふっ、なおくんか。なんかちょっとかわいいかも。)


嬉しくなって顔をほころばせると、途中になっていたネクタイの位置をきちんと直す。

「うん!これでバッチリです。」

彼を見上げると、優しい瞳と目が合った。

「・・・なんか幸せだな。こんなかわいい奥さん、もらえるなんて。」

愛おしそうに見つめられ、全身が、とろけるように甘い熱を放っていく。

「プロポーズの時に言った約束、覚えてる?」

「え?」

「オレはこれから、里佳をずっと守るから。

里佳はずっと・・・オレのそばで、笑ってて。」

彼が言ってくれた約束。

市谷さんは言葉通り、これからも、きっと私を守ってくれる。

そして私は。

そんな彼を、そばでずっと、支えたい。
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