守ってダーリン!
翌日、玲奈は職場で私を発見するなり、「ごめんー!」と言いながら駆け寄ってきた。

「だめだよ、妊婦さんが走っちゃ。」

「そうだけど・・・。龍平から聞いた。

市谷さん、里佳が行くの知らなかったんだって?」

「・・・うん。」

聞けば、玲奈は「私に看病に行ってもらう」、という龍平くんの計画は聞いていたものの、そのことを市谷さんに知らせてなかったとは、夢にも思ってなかったらしい。

「当然、伝えてあると思ってたから・・・。」

「うん。普通そう考えるよ。

でもまあ・・・少しはお役に立てたらしいから、いいとする。」

「う〜、やさしいな!里佳は!」

玲奈がぎゅーっと私に抱き付く。

女の子の抱擁は、やわらかくて気持ちいい。

「そうそう。市谷さん、今朝熱下がったみたいだよ。

今日から仕事に復帰したって。」

「えっ・・・。あんなにつらそうだったのに・・・。

そんな、下がったばっかりで大丈夫かな。」

「ふふっ、心配?」

「!!し、心配っていうか、気になっただけ。」

玲奈が「うふふ」と意味深な笑みで私を見つめる。


(うう・・・玲奈たちの思惑通り、本当に好きになっちゃうなんて・・・。)


「市谷さんが完全復活したら、またみんなでごはんでも行こ?」

「うん・・・。」

嬉しそうな玲奈を見て、私はとても恥ずかしくなった。
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