守ってダーリン!
名前を聞いただけで、ドキンと胸を鳴らしたけれど、私はなんとか平静を装う。

「それでね、市谷さん、里佳にお礼がしたいんだって。

連絡先、教えていい?」

「えっ!?」

嬉しそうに微笑む玲奈。

私は、飛び上がるほどの動揺を、隠したくても隠せない。

「それは・・・市谷さんが、私に連絡くれるってこと?」

「そりゃそうでしょう。

ふふっ、私たちが食事の機会を作るまでもなかったね。」

「ま、また、龍平くんが勝手に言い出してることじゃないよね?」

今までの経緯から考えて、龍平くんの「一人妄想劇場」に巻き込まれている可能性は、かなり高い。

「ううん。それは絶対やめてねって、私からも言ってあるから。

本当に、市谷さんから頼まれたみたいだよ。

かなり、言い訳並べ立ててたみたいだけど。」

「言い訳?」

「うん。お世話になったからにはお礼をしないわけにもいかない、みたいな。

それこそ、ここに菓子折りでも持って来て、それで終わりにすればいいのにね。」

玲奈が「プププ」と笑い出す。

「もっともらしい理由つけて、里佳に会いたいんだよ。きっと。」

玲奈の言葉に、私は弾むように心が揺れた。


(本当に・・・?)


それは、現実味がないことのように、思えてしまう私だけれど。

それでもやっぱりうれしくて、私は玲奈に連絡先を託した。

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