守ってダーリン!
市谷さんは、助手席に座った私を見ながら、ぼそっと呟く。

「そ、そうですか・・・?」

「ああ。よく、似合ってるけど。」

目を細めて、甘く微笑む市谷さん。

私はなんだか恥ずかしくなって、誤魔化すように視線をそらす。

そのまま、シートベルトをしようと左上に手を伸ばしたけれど、私はその手を途中で止めた。


(コート・・・暖房入ってるし、着たままだとちょっと暑いかな。)


そう思って、ごそごそと白いコートを脱ぐ私。

すると、姉の貸してくれたニットを見た市谷さんは、「脱いでもうさぎみたいだな」と言って、楽しそうに笑った。



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