博士と渚くん

お昼。
渚くん行きつけの商店街で野菜と肉を買った。

料理を渚くんに任せっぱなしの私のレパートリーなんてかなり数が限られている上に味も保証できないけど。

「カレーなら作れるはず。調理実習で作ったもん」

朝食は、黄身の潰れた目玉焼きとトースターで焼いたトースト。さすがにトーストは失敗しなかったけど、目玉焼きは悲惨。
当然私が作った。

昼食は出前のラーメン。
食材がなかったから。
そりゃ当然美味しかった。

渚くんは料理しなくてもいいとか言ってくれたけど、その後の呟きを私は聞き逃さなかった。

「料理できないんだから」

そりゃ普段してないけど、私だって二十歳を越えた立派な大人だ。レディーだ。
そんな言葉をバカにされるように言われちゃ、黙ってられないな。

ということで、私は渚くんを見返して差し上げようと思う。
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