Once in a blue moon
出会いは偶然 as 雪菜の場合
出会いは、ほんとありきたりだった。


1月6日 深夜 as 雪菜(せつな)の場合

雪菜は、関東に住む理系大学院生であり、今修士二年の冬であるので、修士論文作成に追われていた。特にサボっていたわけではないが、まだ完成にはほど遠く 月末までに完成させて提出しないと留年であり、せっかく頑張ってもぎ取った就職先も水の泡になってしまう。という焦りも少々あったため、お正月でさえもパソコンに向かって修士論文作成の日々だった。


『なかなか終わらないよぅ(:_;)。大体二年間の、イケテるデータもイケテないデータもまとめて、起承転結までつけてとかありえない(>д<)。でも留年も困るしぃ(ノ>д<)ノ。』


なかなか進まない修士論文に焦りと飽きを感じ、また深夜ということで家族はみんな寝静まっている寂しさと孤独感を感じていた。


『明日には、優(ゆう)ちゃんも、将(しょう)君も帰っちゃうんだよなぁ(T_T)』


雪菜は三人兄弟の真ん中だが、他の兄弟は既に自立している為、実家で両親と三人暮らしである。そのため、正月とお盆に帰ってくる兄弟との時間がなによりも好きな時間だった。


『優ちゃんと将君とも修論があったから、ほとんど遊べなかったしぃ(>ε<)。』

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