いろはにほへと
秘密


DYLKの社長室を揃って出た所でー


「皆さん!」


真っ赤な顔で、人目をはばかる事なく追いかけてきた飯田にルーチェのメンバーの足が止まった。


「どうする?」

振り返って確かめる事もなく、宗司が目で訴えてくる。


「どうって…」


飯田には、まこちゃんのような打ち合わせは一切してなかった。
いやそれどころか、報告は何もしておらず、今回の件は寝耳に水だったと考えられる。

敢えて同席させたのは、説明を省く為だ。
無駄な時間は要らない。
そして、前もって説明をしたところで、きっと理解できない。
それこそ、今みたいに泣いて止めようとしただろう。

それがまた面倒だった。
意思は固まっていた。



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