電波ジャック~ハロー・ラバー~
姉ちゃんはそのまましばらく妄想を語る。俺は適当に相づちしながら、耳を竹輪にして聞き流していた。

「聞いてる?」
「聞いてる」

流してるけど。





最後の飯粒を食うと、俺は席を立った。

「どこ行くの?」
「部屋。勉強すんだよ」
「高校生なんだから遊んだら?つまんないじゃん」

思わず足が止まる。振り返ると、姉ちゃんは長い髪を指で遊ばせる。

「別に学校とか関係ないじゃん。ってか、何でさっきの話からこんな話に流れるんだよ」
「別に?思った通り言っただけ。あんたが遊んでるのって滅多に見ないし。まぁ、主夫やってくれてるのはありがたいけど、たまには遊べば?夏休み近いし」

姉ちゃんの会話のぶっとび具合は、時々俺の頭を揺さぶる。

「もしかして、お金がないと――なんてアホなこと考えてんの?……それなら頭ガチガチね」

「姉ちゃんはどうなんだよ」

「私の私生活知ってるのに聞いてくるの?」

にんまり笑った姉ちゃんは、空になった食器を手に立ち上がると、流しに向かって歩きだした。

「やりたいことって見つけようとしないとないわよ?」



まるで、すれ違う捨て台詞のようだった。
< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop