【短編】穴
薄暗い蔵の中で、汗だくになりながらあれこれ物色していると、遠くから声がする。


「ねぇ、もしかして……呼んでる?」


「…だな。そろそろ戻るか」


「うん。鍵は?」


「そんなもん、最初からしてねぇし」


「えぇっ?」


……驚いた。


泥棒にでも入られたらどうするんだろう。 


高価なものばかりだし。


都会じゃ考えられないよ!

まぁ、田舎だからそんな心配なんていらないのかな?


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