初恋ノ音色 〜海ハ今日モ唄ウ〜
ひかるとさよならをして、家に入ると、お兄ちゃんがいた。

「はの、さっきの子、友達?」

友達と一緒に帰るなんて初めてなことだから、お兄ちゃんは少しビックリしてるみたい。


「うん、陸上部の里田ひかるちゃんって子」


「へぇ……可愛いな」

「珍しい。お兄ちゃんが女の子を誉めた」

あたしは少しおどけて言った。


まさか、お兄ちゃんのこの台詞が
後にあたしを苦しめることになるなんて


このときは知りもしなかった。



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