本当の私と恋
『彼は今仕事が忙しいみたいで…すぐには無理です』

「うちの美咲に手を出しておいて仕事が忙しいとは何事だ。
 今すぐ電話をして呼びだしなさい。
 今これないなら、金輪際付き合いは禁止する。」

なんて横暴なのだと思った。
家の中での父しか見たことがない私は会社では厳しいんですよと秘書さんが言っていたいたことを思い出していた。
でも、このまま電話をしなければ、家から出してもらえなくなりそうで…
仕方なく、忙しいであろう幸樹さんに電話をかけた。

『あの…美咲です。
 忙しいですか』

「ごめん。今まだ会社で仕事してて。
 今日も帰れるかまだ分からないんだ」

『そうですか…
 そうですよね…』

「美咲?
 何かあった?」

『いっいえ。なんでもないんです。
忙しいのに電話しちゃってすいませんでした』
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