異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 それにしてもどういう心境の変化なんだろう。相変わらず煙たがられているのは知ってるけど。
 大嫌いなはずのオレに対する班長の配慮に、リズと並んで呆けたように絶句する。それを見て班長は一層不愉快そうに声を荒げた。

「なんなんだふたりして! オレがロボットに便宜を図ったらそんなにおかしいのか」
「えー、だってラモットさん、ロボットは嫌いだってシーナの目の前で宣言したじゃないですか」
「ロボットは嫌いだ。だがオレは個人的な好き嫌いで部下を差別はしない。こいつはオレの部下じゃないか。二課長からも使えないポンコツだと思うんなら使えるようにしてやってくれって言われてるんだ」
「あぁ、なるほど」

 おい! 制作者がそこで納得するか。

 班長は相変わらず不愉快そうにオレを指さして命令する。

「いいか、シーナ、命令だ。オレの責任において、警察局ホストコンピュータへのアクセスを許可する。アクセス権限は特務捜査二課一般捜査員。期限は無期限だ。アクセスしたら特務捜査二課の通信リストに自分のアドレスを追加しておけ」
「了解しました」


 命令権限者、ラモット=ベルジュロンの命令受理。
 国家警察局ホストコンピュータに接続。
 権限要求。
 受理確認。
 アクセス開始。


 警察局のホストにアクセスし、言われたとおりに通信リストの追加を終えると、今日の分だけ未受信の通信を受信する。

 車の行き先はわかった。
 あれ? ここって確か……。

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