異世界で不老不死に転生したのに余命宣告されました


 嘘と本当の区別がつかない病気の人は、嘘をついても平然としているから、感情の乱れで判断しているオレにはわからない。だが普通の人はどんなに上手に嘘をついても、生体反応に乱れが生じるのでわかるのだ。

「……感情が読めるんだったか」
「はい。班長が今、私に対して苛ついていることもわかります」

 能力をアピールしつつ、ちょっとイヤミを言ってみる。するとそれを聞いたフェランドが、ラモット班長の隣で吹き出した。

「それはシーナじゃなくてもわかってる」

 室内がクスクス笑いに包まれ、ラモット班長は思い切り顔をしかめてフェランドを睨む。そしてその視線をオレにも向けた。
 やべぇ。不愉快から不機嫌を誘発してる。
 横からリズが脇腹を小突いた。
 オレは意味がわからないと言わんばかりに、空気の読めないロボットを装って、天使の微笑みをラモット班長に返す。
 こんな時、この美少年容姿は重宝する。
 ラモット班長は決まりが悪そうに視線を逸らした。そしてガリウス班長に言う。

「シーナがロボットだとわかったら、相手も警戒するんじゃないか? 店はロボットだらけなんだろう? そのくらいは簡単に見破られる」

 ラモット班長のもっともすぎる疑問にはリズが答えた。

「シーナがロボットのセンサで人でないことを見破られる心配はありません。詳細は割愛しますが、捜査官として人のフリをすることは想定していましたので、ロボットのセンサに誤認させる措置は施してあります」

 これがオレの体を人間らしさにこだわったバージュモデルにした理由なのだ。そしてリズがオレに居座ることを許したのもそのためだ。
 リズが言うには、ロボットや機械のセンサ類を騙すことは簡単らしい。それより人間の経験から生じる感覚や勘を騙す方が難しいという。
 人間に違和感なく人間であると認識させるほどの人間らしさを、試験期間の一週間でロボットに教育するのは容易ではない。だから元人間のオレが居座る方がリズとしてはありがたかったのだ。


< 34 / 285 >

この作品をシェア

pagetop