あたしは兄を探しています。
「はぁい」


綺麗な青い瞳があたしを見る。


「なぁーんで、茜ちゃんが此処にいるのかなぁ」

そっと割れ物を扱うかのように、リュウ君はあたしの頬に手を添えた。


「だってここ、あたしの秘密の場所だもん」

「そうだったの?初めて知ったぁ」

「うん。初めて言った」

「ははっ、相変わらずだなぁ茜ちゃんはっ」


「よっと!」と言ってリュウ君は体を起こした。そして、あたしの方へと向き合った。


「しかし、お嬢さん。まだ四時間目の途中ですが何でここいんのかな?」

「お昼休みが待ち遠しくて」

「へっ?」

リュウ君は口をポカンと開け、目も見開いた。


「そんなに待ち遠しかったのね。って、咲也は?一緒じゃねーの?」

「うん。サクは呼び出しくらったって。だから一緒にお昼出来ないって言われたの」

「あぁー、それで昼休み前に出て来ちゃった訳ね」


「そうそう」と言いながら、自分の鞄からお弁当箱を取り出す。
< 18 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop