28才の初恋

序章

　風薫る、麗らかな日差しの気持ち良い四月。
　そんな季節ではあるが、周囲の変化などはお構いなしに今日も私は仕事に没頭する。
　大学を卒業してから六年が経つ。
　彼氏を作ったり、友達と遊んだり。そんな経験は大学で充分に楽しんできた――だからだろうか？現在の私は仕事に熱中している。

　商社であるイズミ商事に総合職として就職し、営業一筋で六年間。
　実力主義であるこの会社で男を凌ぐ業績を残し、女だてらに出世レースの先頭に立った。
　二十八歳にして、私の地位は営業部第二営業課、課長である。
　仕事が楽しく、脇目もふらずにやって来た結果だ。自分で言うのも何だが、頼りがいのある上司として日々、仕事に励む。

　そんな私を――稲妻が貫いた！！