28才の初恋
「でも、元のままの取引は到底できない……と言われてしまいました」

 意を決したように、大樹クンが一気に話す。
 つまりはこういうことだった。

 オフィスを飛び出し、すぐに『恒久』に向かった大樹クン。桃代部長に面会を求めるものの、予想通りに予約もしていない大樹クンに会ってはくれなかった。
 
 しかし、大樹クンもそこで引き下がらなかった。受付で待ち続けたのだ。
 やがて、桃代部長が帰ろうとしているところを入り口で捕まえて……その場で土下座をしたらしい。

 衆人環視の中で……ああ!私が代われるものなら代わってあげたかった!!
 と、ともかく。その大樹クンの行動によって桃代部長も『話くらいは聞いてやろう』ということになったらしい。
 この時間まで部長室にて、ひたすら謝罪をしていた……という事だ。

――身体は!貞操は無事だったの!?
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