28才の初恋
 まあ、このまま順調に駅に到着してしまうのだろう。
 神様が味方してくれて、大樹クンと二人で食事とかなんて偶然が起こるわけがない!!

 となれば、帰り道で何を買って帰るかでも考えよう。
 今夜の晩酌は何を肴にして飲むか……。
 タコわさとかが良いかなー。
 あ、イカの塩辛も捨てがたい。
 うーん、だが焼き鳥の砂肝も良いし。
 大根おろしを添えたアジの開きも捨てがたい。

 いっそ全部買って帰るのも良いな……と、考えていたのだが……。

「課長、どこかでメシ食って帰りません?」

 ん……?
 あれ?空耳かな?
 大樹クンと一緒にご飯食べに行きたいなー、と思っている私の耳が幻聴を作り出したのだろうか?

 とりあえず耳をゴリゴリとかっぽじってみる。
 
――これで幻聴は起こらないはず。
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