28才の初恋

5-4

 掃除機が目詰まりを起こすこと二十数回。

 業務用掃除機が悲鳴を上げかけた頃、やっと床が見えた。
 長らく見ていなかったので忘れかけていたのだが、このリビングってフローリングだったんだねー。

 いや、まさか埃まで地層を形成しているとは思っていなかったので驚いた。
 中間層辺りで水分を失った小さな虫が干からびて化石になりつつあった。
 石油ってさ、化石が元になって作られてるって聞いたことがあるんだけど。
 この死骸に熱を加えれば石油になるのだろうか?

 だとすれば、この部屋って結構なエコじゃないだろうか。
 大樹クンさえ訪問して来ないのであれば、地球環境のために掃除せずにおいたのだが……惜しいことをしたものだ。

 ふう、しかしながら、三時間近くも掃除機をかけっぱなしだったので汗をかいた。
 ちょっとシャワーでも浴びようかな……と思った瞬間、重大なミスに気が付いた!

――お風呂場、ゴミで埋もれてる……。
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