28才の初恋

7-4

 件のフェンスは、本当に駅からほど近い場所にあった。

 南京錠は駅前にある少し大き目の土産屋に売っていたし、タクシーの運転手さんも私の曖昧な場所の説明だけでその場所までキッチリと連れて来てくれた。
 どうやら、この場所は結構有名な場所であるらしい。

「お姉さん、恋愛してんのかい」

 フェンスに着くまでの道中、運転手さんがそう聞いてきた。
 まあ、その場所に行くということは……そういう目的の人しか居ないわけで。

「ハイ、ちょっと厳しいんですけどね」

 旅の恥はかき捨て、とも言うし。
 こんな温泉観光地のタクシー運転手に話したところで、私の知り合いに漏れる可能性はまず無いだろう。

「まあ、評判の良い場所だからさ」

 運転手さんは、そう言って励ましてくれる。
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