28才の初恋

2-6

 手を繋いだりとか、そんなドラマティックな出来事は何も起こらず……起こってはくれず!
 あっさりと店まで到着してしまった。

 大樹クンの仕事が終わるのを待っていた時間が三十分ほど、中では既に宴会が始まっているだろう。
 『歓迎会』というのは、あくまでも宴会を開くための名目だ。社会人とは、少なくとも営業という人種は何かの名目があれば飲み会を開きたがるようなものなのだ。
 大樹クンと並んで店に入る。

 慣れたもので、店の大将が奥の座敷へとスグに案内してくれる。

「ヨッ! ご両人! 揃って到着!!」

 既に出来上がって囃してきたのは橋本だ。
 ナイスな煽り!夏のボーナスは期待しなさい!!査定を思い切り上げてあげるから!!
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