気づけばキミと恋に落ちて
宗ちゃんと、キス…してるの?わたし……。


一瞬、頭が真っ白になる。キスなんて、高校生以来でドキドキよりも、悲しみのほうが先に込み上げてくる。


「これで、わかってくれた?オレの真剣な気持ち」


クチビルが離れ、言われた言葉に涙が込み上げてくる。


今度は自分でもわかる。宗ちゃんの想いは、わかった。


だけど、わたしの気持ちは?わたしの思いはムシで、こんな勝手なことをしてくるの…?


「帰り、ますっ」
「はるちゃん‼︎」
「今日は、帰らせてくださいっ‼︎」


掴まれた手を思い切り振りほどき、乱暴に鞄を持つと走って会社を出た。


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