気づけばキミと恋に落ちて
「ただいまぁ」


玄関で靴を脱ぎ、一歩部屋の中へ入ると〝ダダダッ〟という足音。


「はるっ、お帰りっ」
「ちょっ⁉︎」


普段はゼッタイに、こんなことしない。


拓篤がいるから、こんな風に抱きついてきたんでしょ?


「陽ちゃん、離れて」
「ヤダ。オレの、はるだし」


ギュ、と更に力を入れて抱きつく陽ちゃんは、ただのガキ。


陽ちゃんに拘束されてて、拓篤の顔が見れない。


「もう、陽ちゃん‼︎」


わたしが怒ると〝ちぇっ〟と舌打ちをして、わたしから離れた。


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