気づけばキミと恋に落ちて
どうせ会うことはないだろうけど、万が一会って〝チビ〟なんて呼ばれたらサイアクだ。


「おい、チビ」
「っ、陽美ですっ‼︎太陽の陽に美しいと書いて、陽美ですっ。チビじゃないですっ」


あー、もうこれで戻れない。でも、どうしても〝チビ〟はイヤだったんだもん。


「へぇ、陽美ねぇ」


オトコは鼻で笑うようにして、わたしを見てきた。


「な、なんですかっ。どうせ陽美っぽい顔じゃないですよ‼︎」


そもそも〝陽美っぽい顔〟が、どんな顔か知らないけどっ。


「なんだそれ。お前の言う〝陽美顔〟は知らねぇけどイイんじゃね?可愛いよ」


はっ…だ、騙されちゃダメよ、陽美‼︎


このオトコはタラシなんだからっ。


「んじゃまぁ。送り届けたし、帰るわ。またな、陽美」


……わたしの名前、呼んだ。〝陽美〟って…。


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