ナミダ





それから数日が経った…
リハビリはしているが未だに思うようには動けない…



先輩は毎日通いリハビリを手伝ってくれている



「…ほら、あの手すりまで歩いてみて?」
そう言い私から手を離した先輩は先に走って手すりまで行ってしまった



右足を出して左足を出した。
また右足を出して左足を出した
足は思うように動かないけど足を見ながら頑張った
普通の人よりは遅いけど



私はこの間たまたま医師と祖母が話しているのを聞いた



ーーーーー「ですからぁ、お孫さんは神経が弱ってしまっていて〜、何かしらの影響で歩きたくない、もしくわ生きていたくないなどと言う感情が強いため歩けないんじゃないかと…」



医師がそう言うと祖母は



「どういうことよ⁉︎
あの子以外に今は跡取りがいないのよ?
歩けないんじゃ跡も継げないじゃない‼︎」
そう恐ろしいほどの顔で迫っていた



やはり…私は跡取りと言うだけの存在……



普通の私なんて意味を持たない。
兄さまや父さまや母さまのようにはなれない…
悔しい…生きているのに生きていないみたいで、
歩けるのに歩けない…



意味を持たない私が悔しい……



やがて足がもつれてその場に転んだ





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