~Special Short Story~



だからさ?


『だから、その私の彼氏候補なら』


……友達、とか言わないで。私が望むのは、きっと星村くんと同じことだと思うから。


『彼氏候補とか友達とかの段階をぶっ飛ばして、その……私の彼氏に』


「なります!」


まだ私が言い終わらないうちに、顔を上げた星村くんからマイク無しの大きな声で遮られた。


「明莉さんの彼氏にならせてください!」


夢じゃない。


「……はいっ」


星村くんの彼女になれるんだ。


途端に会場はワアッと歓喜が上がった。最前列には弥生の姿もあり、大きく両手を振って私の名前を呼ぶ彼女に、ピースサインを返した。


『星村くんと明莉さんおめでとうございます!いや~年の差カップル誕生!明莉さん、我が校のクール男子をお願いしますね♪』


司会者の茶々に小さく頷く私。そして、そのままカップルになった組が座るカップル席へ、星村くんと移動した。


「はー、緊張したっ」


座るなり私の口から出た小さな言葉。隣に座る星村くんは小さく吹き出す。


「ちょっとー、何笑ってるの?」


「いや、可愛い過ぎて」


かわっ……!?



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