~Special Short Story~



「横田くんと付き合ったら、絶対女子の反感買うよね!?」


心配するとこそこかい。


「まーそうなるだろうな」


「それは嫌だー。残りの高校生活が息苦しいものになるかもしれないのかー」


誰もそこまでは言ってないけど。


「でも、彼氏いる生活も味わいたいなぁ」


そういえば、コイツ彼氏いたことあったっけ?男のことでキャーキャー言う割に、それすら知らない。


あれ?俺、コイツのことどこまで知ってたっけ?


「よし!ゆきちゃんにも相談する!」


「そーすれば?」


「陽、このこと秘密にしてね?他の女子に言ったりしないでね!」


「はいはい」


「もー絶対だよ。じゃあまた明日ね!」


嵐のように来て嵐のように去る、それが花音だ。花音の居なくなった部屋は、再び静かになる。


そうか。アイツ告られたんだ。


花音は幼なじみってのもあって、他の女子よりも話しやすい。可愛さとかは分かんないけど、マシな奴。


……いや、訂正。


俺ん中では大事な奴。



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