恐怖日記
「何だ? それ・・・」

あれから、数日の事だ。
Kの突然の告白に、僕は耳を疑った。

「だから、見たんだよ・・・」

弟は興奮したように声をあげる。

「・・・パパと行った、あの仕事場・・・あのぐしゃぐしゃになってた車のところにね。片足が無くて、片腕がなくて・・・それでも・・・それでも歩いている男の人を―――」

そうKは震えるように言っていたのを覚えている。
だけど、僕には見えなかった。

そのKの言っていたような、人を僕は見なかった。
・・・やっぱり、あれは―――霊だったのだろうか。

"事故で亡くなり。今でもあの車に憑いている霊"
なのだろうか・・・。

それをわかる術はない。
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