放課後は図書室で甘い時間を


アイツと人気のない理科室へと行く。

理科室に着くなりアイツは、俺に質問をしてきた。


「どーしたの?…宣戦布告とか?」


いきなり俺に爆弾を落とすアイツ。

笑って冗談っぽく言うとことか…うざい。

まぁ、宣戦布告っちゃぁ、宣戦布告だけど。


「てめぇがテラスから出たあと、桜はあの女子らに暴言はかれたんだぞ?

お前それしってんの?」


「知らないよ?」


心配とかしねぇのかよ。
マジでムカつく。


「ムカつくって顔してんね?
だけど、俺は質問に答えたつもりだけど?
だって、桑原君俺に聞いたでしょ?

“しってんの?”って。」


まぁ、ごもっともだけど。


「…それとも何?嫉妬?」


図星をつかれて言葉がでない。
俺、完全にコイツの思うつぼになってる気が…、


「桜、泣かせたらマジ許さねぇかんな?」

「その言葉、そっくりそのまま君にお返しするよ。」


満面の笑みのアイツによけいムカつきが増す。

だけど、次に言い放ったアイツの言葉に俺は何も言えなかった。


「……桜の事奪える何て思わない方がいいよ?君が思ってる以上にそれはとても困難な事だしね。」


自信ありげなこの言葉。

それに……何だ?

低くて、冷静な言い方なのに、どこか威厳ある声色。

そして、軽く微笑み、視線を下にしながら言う感じ。


見るからに、余裕な感じだけど、実際にこの状況に陥れば誰だって感じる。



“ヤバイ、コイツ本気だ”って。



今のコイツと今の俺じゃ、圧倒的に俺が負けるなって思った。

アイツはズボンのポッケに手を突っ込みながら、窓の外を見てる。

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