放課後は図書室で甘い時間を


「あげたい物って何ですか?」

「秘密。」


秘密って…。先生っていろいろずるいなぁ…。

でも、貰わないでいるのって失礼だもんね…。


「わ、分かりました。お昼ですね。」

「うんっ!!じゃぁ、特別図書室でね。」


本当に先生って分かりやすいな…。
尻尾ふってるみたい……。本当にほわほわな人…。


お昼の約束を交わした私たち。
階段方面から男女のキャピキャピした声が響いた。


「あーらら、人来ちゃったねぇ。
……じゃぁ、お昼楽しみにしてるね?」


そう言った先生は、私の机を間にして、手をついて身を乗り出した。

瞬間唇に伝わる柔らかい感触。

また…キス…された…

……先生は軽めのキスを私にして、教室から出ていった。






「……何か、先生といると…調子狂う…。」






そんな小さな呟きに対して、突っ込んでくれる人は誰もいない。


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