《詩集》言いたいことはそれだけです

鑢掛け

『鑢掛け』


増え過ぎた赤錆に喰われてく
ひと月分のキャパシティ

氾濫して
停滞して
微熱を帯びて

数刻の間にジワジワと融解して

切れない刃で否定する


邪魔された僕たちは
廃棄のレッテル剥がそうとして
下手な口笛吹きながら

前進と後退を繰り返し

ざらついた錆を身体ごと
抉って
削って
鑢を掛けて

鈍った右脳を新生してる


明日になったら月だって
独りでに変わってる

錆び付いちまったら
そこで終わり
そんな訳ない

鑢掛けしてまたひと月
増えてく錆と戦ってくんだ
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