カッコイイオトコ
そうしたら……


一千万の高級車なのに、シャコタンにしてある黒のプレジーナの車内。

高台から街明かりを見下ろして、私はハルヒコくんをちょっと涙目で見るの。


『私、ハルヒコくんのこと、ずっと好きでした……』


ハルヒコくんは切れ長の鋭い瞳を私に向けて。


『俺も、初めて会った時から、ずっと……』


って、そっと私の頬に長い指で触れて、そして、そして……



「きゃああああ~」



枕元にあるクッションを抱きしめて、ベッドの上をゴロゴロ転がる。

ああもう、想像するだけで心臓がはちきれそう!

現実にそんなことになったら、キスする直前で気絶しちゃいそう~!

……その前に、そんな現実、起こらないけどね……。


だって、まともに会話もしてないのに、そんな展開になんてならないもんね?

ハルヒコくんは学校が終われば、きっちり家まで送ってくて、そこでいつもお別れだもん……。
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