カッコイイオトコ
「だって、私が転んだ時、助けてくれたじゃないですか。迷惑かもしれないですけど、文句も言わずに送り迎えしてくれて、凄いなあって思ってますよ?」

「……それは、別に迷惑だと思っていませんから」

「そうなんですか? ……それなら良かったです」

嘘かもしれないけど、迷惑じゃないって言ってもらえて、凄く嬉しくなった。

「それにナツキくんもハルヒコさんのこと自慢してたじゃないですか。いつも遊んでくれて、お料理も上手なお兄ちゃんが大好きなんですよ~」

私もそんなハルヒコくんが大好きなんですけどね♪

……なんて心の中で呟いて、勝手に赤くなる私。

「あ、そうそう、カッコイイと言えば」

私は初めてハルヒコくんに逢った日のことを思い出した。

「ハルヒコさん、電車の中で転がっていましたよね~。それがとっても綺麗でカッコ良かったんですよね~」


ガクン、と車が揺れて、エンジンが止まった。


……あれ?

エンストしました?
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