特別なお客さん。〜あなたとの距離〜
「じゃあ…また連絡するし、話そ。」


大原くんからそう言ってくれた。



「うん!!」


多分、私は満面の笑みだったと思う。


「家どっち?」

「私はあっち。ここから自転車で5分くらいのところ。」

「じゃあ逆方向か。俺は向こうかな。原チャで10分くらい。」

「……。」

「……。」


少し沈黙になっちゃった…。



「じゃあ…お疲れ様。また…。」

「あ、うん!お疲れ様!またね!!」

私は大原くんに手を振った。

大原くんも私に手を振り返してくれたんだ。


私たちは逆方向だからそこでバイバイ。
私は寒い夜道を自転車で帰った。

自転車を漕いでるときもニヤニヤが止まらなくて、幸せすぎて、これが現実ではないんじゃないかって思ったほど。

だけど、帰ったら早速大原くんから
『改めてよろしく!(^O^)
またパン買いに行きます!笑』
と連絡が来てて、夢じゃないんだ、って思えたんだ。


今日一日で一気に大原くんとの距離が縮まったような気がした。



《店員と客》という関係から、《女友達と男友達》になった日だった。

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