僕らのはなし。①


着いたのは…飛行場。

「えっ、柚瑠?」
何故かそこにはいつものSJの3人と柚瑠が居た。

「ちょっと…どういう事?」
「これから旅行だ。」
「はぁ?無理だから。
それに、バイト先にも親にも言ってないし。」
「どっちも俺が連絡しといた。
ダチを連れてきたのは、その方が良いかと思ってな。」
「そんな勝手に。」
「じゃあ行くか。」
私の意見は全く聞かず、まだ戸惑ってる柚瑠と私を無理矢理飛行機の中に押し込んだ。


飛行機はかなりの広さで、座席もかなりゆったり出来そうな造りだった。

そして、出発準備中。
…で、今に至る。


「さすが伊崎。
専用機も今人気の最新式。
思ったより良いなぁ。」
「でも、勝手に一番良いのを乗ってって良いのか?」
「さぁ。」
「問題ない。」
神崎さんは乗り心地を評価し、四宮さんは少し心配していたが、伊崎は本当に何の問題もない感じで答えた。

「ちょっと、私達って旅行するような仲だったっけ?
そうだとしても普通先に予定を決めたり、準備してからじゃないの??」
「準備なら整ってる。
それにお前が居ないくらいで誰も困らない。」
私の抗議の声にも平然とそう返してきてイラッとする。

「とりあえず、私達は降りる。」
座席から立ち上がり、柚瑠の手を掴んで入り口に向かって歩こうとしていると、先輩が少し離れた席に座り、何か音楽を聴きながら目を閉じてるのが見えた。

あれからも変だった。

でも、私もバイトやレッスンが忙しかったし、なかなか会わなかったのもあって、先輩には何があったのか聞けないままだった。

このまま帰ってしまっても良いのか揺れる。
その時、タイミング良く美味しそうな料理や飲み物が運ばれてきた。

それで結局帰れなかった。
マスター、ママとパパ、それとマコ…ごめんなさい。





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