詐欺師の恋
冬の夜の公園は、街灯がやけに明るく見えて、その反対に闇が深くなる。




―先に居てくれたらいいんだけど…




ブランコが一つに鉄棒が三つ、それから滑り台一つしかない狭い公園とはいえ、少し恐い気がする。




「あ。」



だがそんな不安も直ぐに消えた。



何故なら、街灯に照らされたブランコに座り込んでいる、見覚えのある顔を見つけたからだ。





「タカ!」




思わず公園の入り口から声を掛けると、その人影がぴくっと反応する。




そして私の方に顔を向けると。






「カノンちゃん!」





名前を呼んで立ち上がった。




私も小走りに駆け寄ると、タカに向かって勢い良く頭を下げた。





「連絡しなくって、ごめんなさいっ!!こないだはありがとうございました!本当に反省してます!!」






「…えーと。カノンちゃん、、怒ってないから、大丈夫だよ?」






上から、戸惑いを含むタカの声が聞こえる。





私はおずおずと顔を上げて、そんな彼の様子を見つめた。





タカは困ったような笑顔を浮かべ、頭を掻いている。

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