今日から俺の妹な。

心の内とは…?

―玲sideー



目を見開き、しばしの沈黙のあと、一言も発せずに出ていったあの子。



真っ直ぐに伸びた黒髪を乱しながらバタバタと足早に旧図書室を去って行っ



た。



名前は…



―香山凛。



確か生徒会役員の候補名簿に名前が載ってたよな…。



「真面目ちゃん、かな。それとも…」



正直に言えば俺だって…。



すっと、彼女が通った廊下を見つめる。



「これからよろしくな。凛ちゃん」



誰もいなくなった空間に溶けていった言の葉は酷く冷たく、寂しい。
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