海の花は雪・2

〈戸川先生→深谷君〉     「海底散歩」

夏休みも残す所あとわずかになり…

今年の夏休みは盛り沢山というか、お腹いっぱいというか…

いろいろあって、思い返すとため息が出る…

昨日、海でバーベキューをしたり、スイカ割りをしたせいか日焼けが目に付く…

いつもの年なら、アウトドアに過ごすなんてほとんどないので、鏡の中に日焼けした自分を見て、健康そうに見えて笑ってしまった…




「…深谷君、日焼けしたよね〜」

「うん…」

ハルに指摘されて、自分は右腕を見た。

海の中で見る日焼けした肌は、ちょっと不思議に見える…

「二人ともいい色ですね〜ふふふ」

海の中で見ても色白な戸川先生が、自分とハルの顔を見て笑った。

「でも一番焼けてるのって、山形さんですよね〜」

ハルが後ろをふり返ると、山形さんが伸びをしている所だった。

「ん〜?そう?」

「本当、こんがり小麦色ですね」

山形さんと並んで歩いていた高田さんが、楽しそうに言った。

そう言う高田さんも、結構日焼けしている…用務員だから当たり前か…

そんな他愛のない会話をしながら、全員参加となった海底散歩が始まった。
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