カレとカノジョの関係。
「はぁ?なんだとこのチビ」
「一誠が無駄にデカいんでしょ」
「あ?なんだとテメ、表出ろ!」
「勝手に出てくださーい、サヨナラ~」
「おっまえ…!」
一誠とは保育園、小学校、中学校…とずっと一緒だった。
まぁ、そこまでは学区の関係上、仕方ないにしても?
最っ悪だ。まさか高校まで一緒だなんて…!
唯一の救いは、クラスが離れたってことだけ。
「ていうか、E組の一誠さんが、A組の私に何の用ですか?
そろそろ休み時間終わりますけど」
コイツのせいで【トキメキ王子物語】が全然読めなかった…!と嫌味っぽく言ってやれば
「あー、そうだ。お前、英和辞書貸せよ」
人の気持ちを思いやるということを知らない奴は、シレッとそんなことを言う。
「英和辞書!?あんた、あたし以外に友達いないの?」
「は!?バッカじゃねーの。めっちゃいるわ」
「だったら英和辞書くらい、もっと近いクラスの子に借りればいいでしょ。
何でわざわざA組まで来るかなぁ~」
うちの高校はA組からG組まで存在していて、
A組~D組が東棟。
E組~G組が西棟、と分かれている。
東棟から西棟まで行くのは、正直かなり面倒くさい。
なのに
「うるっせーな。お前は俺の幼なじみだろ?」
「いや…だから何?」
「お前のモノは、俺のモノ。
俺のモノは、俺のモノ」
いやいや、お前はジャイアンか!?