デイ ドリーム - 儚く甘いゆめ -
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ヒュゥゥゥゥッ



ヒュウゥゥゥ



ピーッ







やかんの沸いた音で我にかえる。





すっかり忘れてしまっていたと焦ってコンロの火を止めた。



興奮したように甲高い音を出していたやかんが落ち着いていく。


音はあっという間にヒュゥゥ…と情けないほどちいさなものへと変わっていった。







ここでひよりはふぅっと胸をなで下ろす。



緊張の糸が切れたひよりは膝から崩れるように椅子に座り込んだ。
そしてもう一度ふぅっと息を吐くと、再び外を見た。





雨はさっきよりも弱くなっていて、それになぜかほっとした。



あのときのことをこんなに鮮明に思い出したのは久しぶりだった。





どうして急に―――…







偶然だったのか…


それとも雨の所為だったのか……







窓の外の交通人を眺めながら、ひよりはぼんやりと考えた。


すると、唐突にあることが頭に浮かんだ。






「あっ、そういえば………相馬くん………傘、大丈夫だったかな…」












金曜日の午後7時




雨は、まだ止まない。








Episode 01 - end -
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