奥様のお仕事
週明けから連日 帰りが遅くなるから
一緒に食事はできないと言われた。

朝 明らかに疲れた表情の浩一郎に コーヒーと
トーストやサラダを食べさせて 私は 笑顔で見送る。


いってらっしゃいのキスを要求されることもなくなり
何だかとっても 寂しくなった。

「いってらっしゃい」


「いってきます」


夜は
「遅くなるから起きていないで寝ていなさい」

ベットの中で帰ってきた気配を知る。
そのまま ベットに入らずソファーで寝てることも増えた。


私の生活は 浩一郎で始まって 浩一郎で終わる
だから最近の 忙しさやもしかして 避けられてる?と
思われるくらいの空しさは

胸にぽっかりと 穴が開いたようだった。


「マリン ちゃんとご飯食べてるか?
俺がいなくても ちゃんと食べないとダメだぞ」


浩一郎もだよ
ちゃんと食べてるの?どこで何を食べてるの?


「食べてるよ~大丈夫」


「そういえば通帳ちゃんと 記帳しているか?
確認しないと 俺だって不正してるかもしれないぞ」


珍しく今朝は 会話が多い。


「あ 一回もしてない」


「こらこら 大事なことだぞ。
そこから貯金したりしておかないと 何かあった時に
困るからな」


何かあった時は この仕事が終わる時だよね・・・・・


一人で生きて行かないといけないことになった時だよね・・・・。


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