奥様のお仕事
私はこの人のところで 何の仕事をさせてもらえるんだろう。
まだ何も聞いてない・・・・・

深く考えずついてきたけど
結局私は 中学しか出てないし……祖父が取り寄せてくれた
教材で勉強はしていたけど
自分が中卒であることには変わりがない。


できることと言えば 家事くらい。
祖父は勉強には口出しはしなかったけど
家事や料理にはうるさかった。

「花嫁修業だぞ」

「結婚なんかしないよ。島に若い人なんていないでしょ?」

「マリン いつまでも島にいたらダメだぞ」

「いいの いいの
じいちゃんが元気で長生きしてくれたら マリンはここで
ずっと暮らすから」


そうそれは本当のことだった。
外に出るなんてありえなかったから・・・・・。

複雑な生い立ちで ハーフの私は
島に守られて生きてきたから


ほら・・・・今も 私のこと見てる


人が多くなると 注目されるのは 私の容姿だった。
母と私を捨てた 異国の父を憎んでも
間違いなく私はその 異国側の容姿をしている。

人の目が 怖いんだ
そしてその目にさらされて 自分の存在が悲しくなるから・・・・・
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